社会人として働いてある程度資産が増えてくると、資産運用や投資を検討し始める方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、投資とは何をすればよいのか分からず情報を手に入れるために取り敢えず本を探してみても、「そもそも何を選べばよいのか分からない」という問題にぶつかる人も多いと思います
単に投資本の数を読めば成績が良くなるという訳ではありません。今回は、投資デビューする方からベテラン投資家の方におすすめの投資本をジャンル毎に分けて紹介していきます。投資スタイルは人によって様々で、すべての本が万人受けするものではありません。自身の投資スタイルにあった1冊を探してみて下さい
投資本をお得に読む方法
Amazonの定額読み放題サービス kindle unlimited に加入することで、一部のkindle版の投資本が読み放題になります。私は読み放題対象分だけでも既に数万円の書籍を購入していたので、kindle unlimitedが使えていればかなりお得だったので惜しいことをしてしまいました。kindle unlimitedは 月額980円(2018年12月 現在)ですが、月額を余裕で上回る価格の投資本も読み放題対象に上がっているのでトータル的に考えるとお得です。
ちなみに、この記事で紹介している読み放題対象分だけでも合計額は約20.000円程にもなります
ただし、読み放題対象の書籍は変わる可能性もあるので、新たにkindle unlimitedの加入を考えている方は事前にAmazonで目的の書籍が読み放題対象か確認しておいて下さい。2018年12月現在のkindle unlimited読み放題対象本は、書籍の紹介欄に【読み放題対象】と記載しておくので参考にしてみてください
30日の無料お試しもやっているので、気になる方はとりあえずkindle unlimitedを試してみてもいいかもしれません
1. 基本知識
これから株式投資を始める方に1番おすすめ
株式投資に興味があっても、最初は何から始めれば良いのかは分かりません。「株はどこで買えるの?」「いくらあればいいの?」「そもそも株式投資って何?」という疑問はもちろん、4,000社以上の上場している会社からあなたにピッタリの投資先を探すアドバイスまで、基本的なことはこの一冊で教えてくれます
投資のプロが教える投資信託を中心とした資産形成の話
投資をプロに委託する「投資信託」の運用を中心とした資産形成全般を、日本を代表する投資ファンドの3人から学ぶことが出来ます。株式投資よりも投資信託に関して学びたい方におすすめです
現在、最も勢いのある「ひふみ投信」代表の藤野氏をはじめ、コモンズ投信の渋澤氏、セゾン投信の中野氏と、錚々たる豪華な顔ぶれの話は分かりやすく何より面白いです。今では銀行などでも目にする「投資信託」に気になった方は目を通してみてください
投資のタイミングには知っておくべき「お約束」がある
アノマリーとは「経験則に応じて起こる可能性が高い事象」のことです。例えば、5月は暴落が起こる可能性があるので売っておいた方が良いとされる「セル・イン・メイ(Sell in May)」など、根拠はないのですが市場関係者は意識する事象です。ファンドの決算時期との関係など原因もあるとは言われていますが、実際のところは「みんなが売るだろうから売る」という不確定だが、比較的高確率で起こる経験則に基づいてた事象です
アノマリーは知っておくことで投資の成功確率が高まる可能性があります。確実なものではありませんが、将棋の定跡のような「お約束」のようなものなので、本格的に投資を始めるならば頭の片隅には入れておきたい知識です
投資本を読む前に知っておきたい基本的なことが学べる
「パンローリング」とは投資家の為の本を中心に扱っている出版社です。投資の本を数冊探すと、ほぼ確実にパンローリング社の本を読むことになります。良書も多く投資知識のを取り入れるのに大きな助けになります。しかし、いきなり投資本を読むにも基礎知識が無いと「何を言っているのか分からない状態」になってしまい挫折してしまうことがあるかもしれません。本書では、中級者向け以上の投資本を読む前に知っておきたい基礎的な知識が学べるので、これから本格的に投資本を読もうという方は事前に読んでおくと良さそうです
全世界で読まれている「投資のバイブル」
長期的な資産形成を考える投資家に向けた「インデックス投資」の優位性の話が中心の一冊。「インデックス投資」とは、「日経平均株価」やアメリカの「ダウ平均株価」のような株価指数の動きに基づいた投資をすることです。分かりやすく言うと、厳密には違うのですが株式市場全体の平均的な動きに連動したような投資成績を目指す方法です
長期投機を行う上で銘柄選別は非常に迷うところです。自身で選んだ銘柄群のパフォーマンスは優れているのか気になるのであれば、本書を読んで「インデックス投資」の優位性を学んで運用先を再考察すると良いかもしれません
【読み放題対象】 世界的トップトレーダーたちの成功体験が学べる
世界的に話題となり読まれている「投資本の常識」とも言える本です。ジャック・D・シュワッガー氏が成功したトップトレーダー達にインタビューをし、彼らの成功体験を深く掘り下げていきます。成功方法の手法は各々違いそれぞれが参考になると共に、単純に資産が増えていく過程の逸話が読み物として面白い。投資中級者以上向け
2. ファンダメンタル(長期投資)
世界一の投資家ウォーレン・バフェットの銘柄選定術を学ぶ
フォーブスの世界長者番付1位になったこともある投資家ウォーレン・バフェット。当著は半世紀にもわたって高い運用成績をもたらした彼の投資手法を学べる1冊となっています
企業価値を見極め長期的に保有できる割安な銘柄を探す投資法になります。実際に銘柄を探す為の具体的なチェックポイントもあるので、投資初心者の方でも実際に銘柄を探すのに役立ちます。株式投資を始めるのであれば是非とも抑えておきたい投資本です
投資先の候補を探すのに基本的な本
敢えて紹介するまでもないですが、投資にはおなじみの年4回発行される全上場企業の過去数年の会社業績推移や業績予想をまとめた本。四季報を読んでざっくりと目星をつけて、それから企業を調べて投資に値するかを検討します。四季報は銘柄選別のスクリーミングに便利なCD-ROM版やダウンロード版もあるので、余裕があるならそれらもおすすめです。
定期購読にしておくと、先回りして手に入れられたりするので、少しだけ有利にはたらくことも
【読み放題対象】投資家の父と呼ばれたウォーレン・バフェットの師匠
割安株への投資、いわゆるバリュー投資理論の考案者とされるベンジャミン・グレハム氏とその投資手法に迫ります。現在は、どうしてもすぐに結果が伴い面白みのある短期トレードに関しての書物が人気で多く発行されていますが、「投機家」ではなく「投資家」を対象とした長く読まれ続けているバイブル的な本です
海外で使われる投資の定番テキスト
米国の証券アナリストの試験対策に使われ欧米の大学でも長く愛用されているテキスト。資格取得や金融分野で活躍したい方向けですが、歴史のデータを振り返りながらのポートフォリオ理論と実践などもあり実用的に役立つ部分も多くあるので、深く投資の学習をしたければ購読しても良いと思います。細かい部分もありますが、全体的にそこまで難解ではないので投資中級者以上なら充分に楽しんで読むことができるはずです
3. テクニカル(短中期投資)
チャートの基本のローソク足を完全に理解していますか
日々変動する株価を分かりやすく把握するために使われているチャートの「ローソク足」について基本的なものから解説してくれる本です。長期投資なら業績を追えば良いのですが、短中期であれば市場の需給関係の目安としてチャートのローソク足は欠かすことが出来ないものです。本書ではローソク足に絞って分かりやすく解説しているので、チャートの基本を学ぶために是非とも読んでおきたい一冊
勝者と敗者を分ける重要なリスク管理を学ぶ
タイトルには「システムトレード」とありますが、多くは「リスク管理」の重要さを説いた内容です。特に、これから投資を始める方や投資で資産が減り続けている人は是非読んで欲しい大切な内容が書かれています
【読み放題対象】成功するトレーダーに最も重要な心得
高確率で勝利できるトレーディングとは何かを追求した本。「投資の心得」から「テクニカル分析の方法」、「自己管理」までトレーディングに重要なポイントが書かれています。短期投資と長期投資の実際の成功例や失敗例をチャートとケーススタディを通じて検証しているので具体的で分かりやすい。投資の中級者の方を中心に、この一冊を読めばきっと成長することが出来る名著です
テクニカル分析を中心としたトレードのバイブル
その名の通り、トレードのことを広く網羅した投資界の中の広辞苑こと「投資苑」。基本的なテクニカル分析の手法を分かりやすく解説しており、加えて心理面からの投資へのアプローチの方法が非常に役に立ちます。翻訳も良く文章が読みやすいので、投資の基礎的な本を読んだ方であればおすすめです。投資中級者の方までであれば、この本の内容を理解することで間違いなく一つ上のレベルに押し上げてくれるので、是非とも読んでおきたい良書です
テクニカル分析の必要性を再確認
投資の中級者以上でテクニカル分析の手法をある程度身につけた人向けです。現在使用しているテクニカル分析が本当に有能なのか、科学的手法や統計分析などを用いて分析し、実際のケーススタディを用いて検証していきます。若干文章が冗長的でボリュームが多めですが内容は面白いので、テクニカル分析を勉強するなら読んでおきたい一冊です
短期トレード戦略の徹底した分析
トレードのコンクール「ロビンスカップ」で30年以上立った今でも破られることのない、11,376%(113.76倍)以上の圧倒的な成績を残した伝説のトレーダーであるラリー・ウィリアムズの投資手法を書いた本。彼の投資手法に関しては、彼の娘であるミッシェル・ウィリアムズもロビンスカップで優勝したことからも優位性は明らかです。
トレードのコンクールの話も含め、自身の実際のトレード内容を明かしているために具体的で分かりやすく、何より資産が増えていく過程は読んでいて以上に面白い
プロップハウス経営者によるトレード手法
プロのトレーダーを雇って自己資金で投資を行う会社であるプロップハウス。その経営者が、トレーディングキャリアを通して学んできた市場に関する重要な教訓を、様々な人を例にして分かりやすく伝えてくれます。トレード手法に関してはもちろん、顧客を持たずに自己資金でのトレードだけを行うプロップファーム業界の話が面白いので、プロのトレーダー集団がどのような運用をしているのか参考にしたい方は是非とも手にとってみてください
ペアトレーディングに関する良書
ペアトレーディングは一般的にはアービトラージのことで、いわゆる一時的な価格差を利用して利益を得る裁定取引です。ボラティリティの高い相場環境時でも比較的安定して収益を確保することができる可能性が高く、一般的な投資家よりもヘッジファンドなどで使われている手法です
現在では、株式市場の細かいアービトラージは高速取引などのアルゴリズムによって対応されていることが殆どですが、時間軸や他の条件を変えることによって収益機会を見出すことも可能です。当著では、新しい手法を見つける為に必要になるであろう理論を実践的に学び身につけることが可能となっています。良書ですが数式の理解が必要で難しい箇所も多いので、投資経験に長けている方向けです
4. デイトレード
デイトレードで成功するための心構え
全米最強のトレーダー養成機関である「プリスティーン」が、デイトレードで成功するために大切なことを指南してくれます。テクニカルのようなテクニックの紹介は殆どないのですがデイトレードに必要な心構えが凝縮されており、「何をすればデイトレードで成功できるのか」という単純だが最も深い問題のヒントを示してくれます。
デイトレードを始めることは簡単で誰にでもできますが、ざっくりとしたトレードを繰り返してもいつか失敗に陥るは明白です。細かいテクニックの積み重ねも重要ですが、成功に至るまでに何をすれば良いのかという本質を身に付けるために読んでおきたい1冊です
デイトレードの手法を学ぶ為の下準備
アメリカのデイトレーダーの第一人者でもあるバーンスタイン氏によるトレードの手法を学ぶことが出来ます。続編の「バーンスタインのデイトレード実践」がより具体的で面白いのですが、そちらを読むために本書を先に読むとより理解できて効果的
成功者のデイトレードの具体的な手法を学べる
「バーンスタインのデイトレード入門」の続編であり非常におすすめな本。インターネットで情報を入手しやすくなった現在では成功したトレーダーの手法を知ることもできますが、相場環境は刻一刻と変化し続けるものなので真似したとしても同じような結果になるとは限りません。自分自身が成功するためには、自身のトレード手法を確立させるしかありません。本著では、バーンスタイン氏の実際のトレードを基にして、成功に必要なルール作りやトレード手法の確率する手助けしてくれます。高価な本ではありますがトレードで成功できれば安い先行投資なので、是非読んでおくべき本です
伝説のトレード集団「タートルズ」に迫る
トレーダー養成塾「タートルズ」は、トレード経験の乏しいメンバーがわずか2週間の研修プログラムを終えただけで、次々と大きな利益をあげ旋風を巻き起こした伝説の集団です。その秘密のベールに包まれていた投資手法を学ぶことができます
伝説の集団の成り立ちの物語部分も面白いのですが、トレード手法の解説も充実していて読みやすくなっています。投資システムだけの本が合わない方にもおすすめ
【読み放題対象】スキャルピングの学習におすすめ
デイトレードの中でも、数Ticの利益を積み重ねる手法であるスキャルピング。ユーロドルが中心であったり独自の70ティックチャートを用いたり若干馴染みのない部分があるかもしれませんが、トレードのテクニックに関しては他の条件でも応用が可能です
5. メンタルトレーニング
個人投資家にとって投資とメンタルの関係は重要な考慮すべき要素です。ある程度の良書であれば重要なポイントは抑えてあるので何冊も読む必要はありませんが、悩んだ際に読み返せるような自分にあった1冊を探してみましょう
投資に必要な至極の名言がいくつも見つかる
トレードにおいてトレード時の精神の改善方法やストレス解消の方法まで、セルフプロデュースに関して具体的に書かれています。700ページを超える圧倒的なボリュームですが、101の項目に分かれているので興味がある部分だけを読むことも出来ます。
人間科学とトレードの相関関係に迫る
投資において「勝てる脳」と「負ける脳」の違いに迫る本です。他のメンタル本と違うのは、実験や研究データを多く用いて分析しているところです
【読み放題対象】ポーカーにおける勝ち組プレイヤーの思考習慣
カードゲームの「ポーカー」で勝つために必要な思考習慣が学べる本です。「ポーカー」に必要なものは運だけではなく、最終的には実力に応じた成績に集約されていくことが殆どです。投資においても運による要素が続くことは稀で、最終的に勝ち続けるために必要なのことはポーカーも投資トレードも同じで非常に参考になることが多く書かれています。更に、「賭けの考え方」は投資にとどまらず広く仕事や日常生活にまで活かすことができるので、広くおすすめできる一冊です
【読み放題対象】投資メンタル本の定番といえばこの一冊
投資のメンタル本を代表する本です。余計な感情に惑わされることのない確固たる精神状態の「ゾーン」に如何にして近づくかに迫ります。広く読まれているだけに賛否両論もありますが、長く読まれ続けているだけの内容は秘めています。個人投資家にとっては下手に投資システムの本を読み漁るよりも、1冊の確固たるメンタル本を見つけるほうが成績に良い影響を及ぼす可能性も高いと思います
6. 投資関連の読み物
世界で最も有名な投資家バフェットの伝記
フォーブスの世界長者番付1位の座にも輝いた、投資会社バークシャー・ハザウェーの代表であるウォーレン・バフェット氏の半生を描いた全米で大ヒットとなった伝記。本人協力の下で完成までに5年を費やしたこともあって、数多く出版されているバフェット氏に関する著書の中でも圧倒的なボリュームと濃密な内容です。幼少期から商才に長けていたエピソードから、資産が増えてもチェリーコークを愛し素朴な家に住まいを構える人間性に迫り、世界一の資産まで増やすことになったその手腕など、著者の分かりやすく面白い文章も相重なり興味が尽きることがありません。投資に興味がある方はもちろん、あらゆる方におすすめしたい一冊です
世界同時金融危機の実相を描くノンフィクション
「マネー・ボール」や「フラッシュ・ボーイズ」など評価の高い作品を生み出してきたマイケル・ルイス氏が、リーマンショック時の世界同時金融危機の真相に迫ったノンフィクション。アメリカが住宅ローンバブルに湧く中、その歪に気づき世界経済の破綻に賭けた者たちを描く
リーマン・ショック時に何が起こっていたのかに迫る著書は数多くありますが、ここまで興味深く面白い内容のものは他には知りません。徐々に迫る崩壊に向けた金融業界における人間ドラマや、その時までのカウントダウンが迫る緊迫感は時を忘れて本にのめり込んでしまいます。金融経済に関心があったり携わっているのであれば読まないと勿体無い!
経済や投資のイメージを掴むキッカケにおすすめ
「ドラゴン桜」や「砂の栄光」などでおなじみの三田紀房氏が描く投資漫画。経済や投資と聞くと慣れないうちは難しいイメージを抱きがちですが、まずは経済や投資のイメージを掴むための入門としておすすめです。読み終える頃には株式投資から保険、そしてベンチャー企業などの基本的な知識を身につけることが出来るはずです。
話はそれますが、個人的に三田氏の作品では会社経営を描いた「マネーの拳」も面白いのでおすすめです