今まで読んできた本の中で、面白かったものや役に立った本をおすすめの100冊にまとめてみました。100冊に絞るのはなかなか難しかったのですが、出来るだけ読み易く幅広いジャンルを集めています。一冊でも気になる本を見つけて頂き、良い本を発見した喜びや感動を共有できれば嬉しいです
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Amazonのkindleでセール対象になっている本を紹介しています。意外な人気本もセールになっているのでチェックしてみてください!
社会人におすすめの面白い本&役に立つ本 100冊
小説
絶体絶命の漂流から全員が帰還を果たす奇跡のノンフィクション
1914年に南極大陸横断中に遭難し、17ヵ月の漂流後に28名全員が生還する奇跡の記録を描いたノンフィクション小説です。十分な準備でも過酷である南極という環境下で、シャクルトンのリーダーシップ、隊員同士の信頼や団結心を持って様々な困難を乗り越えていく様は創作では決して表現できない、まさに「事実は小説より奇なり」です
読み終わった後は単に「面白かった」だけではなく、生きていく勇気や素晴らしさに気づかせてくれます。人生の岐路であったり、高い壁にぶつかったり、悩みを抱えて落ち込んだときに読み返すと活力が得られる素晴らしい一冊
世界一危険な地域にある「平和独立国家ソマリランド」
海賊絡みのニュースで耳にすることもある紛争地帯のソマリア。その内部に近接しながらも、平和的な状態を保つアフリカの奇跡も言われる「ソマリランド」という独立国家が存在する。その真相に迫るべく、著者の高野秀行氏が現地に訪れて体験して得た真実を描く
単純に面白い!ソマリランドの歴史や政治にここまで詳しく迫っているものは他にはあまり無いでしょう。何より、高野氏が現地の人々に密着して徹底的に取材した濃密な内容に惹き込まれます。海賊家業の話を直に聞いたりと、彼の好奇心と人間力だからこそ知り得た興味深い話が盛り沢山。ここまでの名作を生み出してくれて感謝です
日本史上最高のロシア語通訳者が明かす同時通訳の内幕
異なる言語や文化の人々の意思疎通を瞬時に行う同時通訳は、単に言語能力が高ければ務まる仕事では無く経験と周到な準備が必要となります。日本のロシア語通訳では史上最強と言われた米原氏が、通訳の内幕を興味深くユーモアたっぷりに伝えてくれます
翻訳の技術やコツなどの「翻訳論」から、笑える失敗談まで濃い内容になっています。一例でも「世界に類を見ない罵り言葉の宝庫」とも言われるロシア語の「罵り言葉考」など、感心するエピソードが満載です。著者は言葉のプロフェッショナルなので文章が洗練されて、そして時折ちょっぴり下ネタを交えて面白おかしい為になる珠玉の一冊です
数百年に及ぶ数学者たちの苦闘を描く感動の数学ノンフィクション
17世紀に数学者ピエール・ド・フェルマーによって主張された通称「フェルマーの最終定理」は、1995年に数学者アンドリュー・ワイルズによって証明されるまで300年以上誰もが解くことができなかった超難問であった。このフェルマーの最終定理を解き明かすことに挑み続けた数学者たちの感動の物語が描かれる
数学の問題を解き明かすというテーマをこれほど面白く描いた作品は他にあるのでしょうか。フェルマーやワイルズの半生が中心ですが、日常ではなかなか馴染みのない「数学者」についても非常に興味深く触れることができます。数学が好きな人は勿論、苦手だった人でも興味深く読むことができる作品です
宇宙はいつ、どのように始まったのか?
「宇宙の始まりはどうなっているのか」とは誰しもが一度は考える疑問ではないでしょうか。それは過去の人々も同じで、人類は「宇宙論」に挑み続けてきました。本著では、宇宙の始まりである「ビッグ・バン」や、人類が挑み続けてきた「宇宙論」を巡るエピソードや人間ドラマを描いたノンフィクション小説
著者のサイモン・シン氏の作品は数学や科学の背景を分かりやすく、そして非常に面白く伝えてくれる名著ばかりです。日常では出会うことのない知識に導いてくれるのは他では得ることのできない素敵な瞬間です。他の「フェルマーの最終定理」「暗号解読」などの著作もおすすめです
仕事を投げ出して放浪の旅に出たくなる本
世界中を放浪する深夜特急シリーズ。様々な国のディープな場所にまで入り込む旅行記です。出版されて20年以上経つので当時とは変化しているところもありますが、面白さが色褪せることがありません。
読んでいるだけで放浪の旅の魅力に惹き込まれ、本当に仕事を投げ出して旅に出たくなる危険な本です。人生の岐路や重要な案件を抱えている時ではなく、余裕のある際に購読することを推奨します
専門的な知識が深くリアルで、単なる金融サスペンス以上の作品
ベストセラーにもなった『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』の著者である橘玲氏のデビュー作品。
マネーロンダリングとはいわゆる「資金洗浄」のことで、裏社会の怪しいお金を表社会で使えるようにする手法のことです。マネーロンダリングに詳しい主人公を中心とした人物たちが、消えた50億円の在り処を突き止めるために香港と日本を舞台に繰り広げられる金融サスペンスとなります。
この小説の特筆するべき点は専門的でリアルな金融スキル描写です。法律も時代を追うことに変化し続けるので現実で使用できるかは別として、小説でここまで深いスキームを取り入れてくるのかと驚かされます。サスペンスとしても非常に良くできているので、金融に携わっている人はもちろん、経済や金融に興味を持ち始めた方なら間違いなく楽しめる作品です
激動の時代に信念を貫き石油会社を発展させて未来を切り開く男の物語
主人公である国岡鐡造のモデルとなったのは出光興産創業者の出光佐三氏とされており、自身の会社を大企業まで成長させるサクセスストーリーです。日本が敗戦国となり質の悪く価格の高い石油しか手に入れられない中、イギリスの管理下にある産油国に危険を犯してまで石油を買い付けにいく、いわゆる日章丸事件などの史実に基づいた話など非常に興味深い話が盛り込まれています
石油という巨大なエネルギーは間違いなく国の発展に欠かせないもので、その大きな力故に国内外で数々の繰り広げられる争いが待ち受けていました。主人公の国岡鐡造が確固たる信念を貫き苦難を乗り越えていく様は、ここからの日本の高度経済成長期に繋がる先人たちの象徴でもあり尊敬の念を抱かずにはいられません。我々が胸に刻み忘れてはいけない大切なものがこの一冊には描かれているのではないでしょうか
殺し屋ばかりを乗せた新幹線で起こるエンタメ狂想曲
伊坂幸太郎氏が描く大人気「殺し屋シリーズ」の第二弾。各々の事情で殺しをしなければならない殺し屋達が東北新幹線で乗り合わせてしまいます。東京から盛岡まで2時間半、思惑が駆け巡る車内で巻き起こる狂想曲の結末はいかに
「殺し屋ばかりを載せた新幹線」という設定の時点で既に面白い。伊坂氏が描く登場人物がどれも魅力的で、どのシーンでも飽きることがありません。シリーズの前作の「グラスホッパー」と第三弾の「AX(アックス)」も面白いので、これらから読んでも良いと思います
芸術の世界がより身近になり引き込まれる絵画ミステリー
伝説的な美術商コンラート・バイラー未公開の作品を鑑定するためにスイスの大邸宅に集められた、ニューヨークの近代美術館のキュレーターティム・ブラウンと日本人研究者の早川織絵。正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げられ、見せられたのはルソー最晩年の大作『夢』とほとんど同じ内容の作品『夢をみた』であった。勝負を進めるうちに、事態は次第に美術界への思惑へと繋がっていく
著者の原田マハ氏は、大手商事などのを経てニューヨーク近代美術館に勤務し、フリーのキュレーターなどの活動後をした後に小説家としてデビューとする異例の経歴を持っています。その経験から、美術に対する造詣が深いのでリアリティのあるのが特徴です。読みやすく読了後も心地よい作品が多いので、原田マハ氏の別作品もおすすめです
ぶっ飛んだクライマーのノンフィクション冒険記
沢登りを専門とする自称「沢ヤ」の宮城氏の冒険記。世界遺産の一部に登録されている那智の滝に登攀して逮捕された件から始まり、仕事をクビになり空いた時間で国内外の沢を本格的に登り始めることとなる。逮捕の件を決して擁護する訳ではありませんが、世界各国の山をクライムしてきた経験が貴重で面白いことは紛れもない事実です
「台湾の渓谷」や「タイのジャングル」など人跡未踏の地に挑み続ける姿や、死と向き合う極限の状況に惹き込まれます。「沢登りに異常なこだわりを持った偏屈な社会不適合者」と自称する宮城氏の読み応えのある一冊
日本に本物のフランス料理をもたらした辻静雄氏の半生
世界的な料理研究家であった、辻調理師専門学校の創設者である辻静雄氏の半生を描いた伝記小説。昭和35年当時は日本には本格的なフランス料理を出す店がなく、フランス料理に魅了されていた辻氏は実際にフランスにわたり100軒ものレストランに足を運び、その味を日本に広めていった
まず、料理関連の本で重要なポイントでもある「料理の描写」が美味しそうで食がそそられます。多くの著名料理人達と親交を持つことになる「人柄」や、本物を追求しようとする彼の「行動力」や「探究心」が素晴らしいです。あと、辻氏はフランス政府から「最優秀職人章」の名誉章を外国人として初めて授与されるのですが、彼はあくまで料理研究家であり料理人ではなかったことは驚きでした。料理に興味がある人だけではなく、あらゆる人が楽しんで読める本です
片桐はいりさんが描くユーモアあふれる痛快エッセイ
女優の片桐はいりさんがグアテマラに住む弟の家族を訪ねる旅と家族についてのエッセイ。グアテマラのまばゆい太陽とラテンの文化で陽気に逞しく暮らす人たちとの生活を、彼女独自のユニークな表現で描く
片桐はいりさんに関しては「たまにドラマ等で見る女優さんだな」くらいの認識だったのですが、読了後はテレビ等で彼女を見かけると本作を思い出し自然と笑顔になっていました。それほどこのエッセイが文句なしに面白い!底抜けに明るいグアテマラの空気と、彼女の好奇心たっぷりでユーモアのある表現が絶妙。この溢れんばかりの彼女の人間味を見れば、人気業でもある女優として長年活躍し続けることも納得です!
企業買収を描いた金融小説を代表する作品
バブル崩壊後の日本で不良債権など価値の暴落したものを安く買い叩く、いわゆる「ハゲタカファンド」による企業買収を巡るストーリー。巨額の資金を巡って暗躍するブローカーたちの思惑や策略が混じり合う熱い戦いを見ることができます。
主人公の鷲津は物腰の柔らかそうな印象とは程遠い熱い思いとプライドを秘めて魅力的なのも人気の理由。NHKでドラマ化され映画にもなったので知っている方も多いのではないでしょうか。金融知識が無いからと敬遠しがちの方でも、面白く読めるのでおすすめです
人との絆に気づき前向きに生きる勇気を貰える作品
唯一の肉親の祖母を亡くし深い悲しみに暮れるみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母の家に同居するところから物語は始まる。みかげが大きな試練を乗り越えて、本当の家族というものを見つけていく
「孤独」と向き合い家族愛や恋愛の大切さが確認できるハートフルなストーリーです。人とのつながりに疑問をもったときに読み返した良書。
ちなみに、「キッチン」を語る上で話題に挙がるのが作中に出てくる数々の料理描写。本当に美味しそうなのが伝わってくる表現力はさすがで、これだけでも一読の価値ありです
大ヒットドラマ『半沢直樹』の原作
社会的大ヒットとなったドラマ『半沢直樹』の原作小説です。大手銀行の融資課長である半沢直樹が悪事に立ち向かうという痛快なストーリー。金融小説はドロドロしていて影のある雰囲気のものが多いのですが、『半沢直樹』シリーズは他の金融小説とは一線を引いた会社員ヒーロー物語です。リアルと創作のバランスの良さが絶妙で惹き込まれます
池井戸作品はテンポ良く読めて、最後には代名詞とも言える『勧善懲悪』でスッキリできるので、エンタメ小説として本当に楽しく読めます。
「生きること」について考えさせられる世界的名著
強制収容所から奇跡的な生還を果たしたユダヤ人精神科医のヴィクトール・フランクル氏による収容所の記録、そして過酷な経験を乗り越えて見出した人生に対する考えを綴る。「言語を絶する感動」と評され、世界中で読まれ続ける紛れもない名著
本書においては収容所の記録が主ではなく、「人生とはなにか?」という課題が大きなテーマです。人生において最も過酷とも言える環境におかれてもフランクル氏は「人生はどんな状況でも意味がある」と語ります。人生と向き合うために一度は読んでおきたい本です
「オリガ・モリソヴナの反語法」のタイトルが意味するものとは
少女時代にソビエト学校で会った舞踊教師オリガ・モリソヴナの半生を、大人になり再び訪れたロシアの地で彼女の隠された秘密を巡っていくろいうミステリー。スターリン独裁下の元、激動のソ連・東欧を生き抜いてきた女性の波乱にみちた人生を描く。「オリガ・モリンヴナの反語法」のタイトルが意味するものとは?
著者の米原氏は幼少期をソビエトで過ごしているので、主人公の弘世志摩に彼女を投影した自伝的な要素も含まれているのでしょう。この経験が、厚みがあり惹き込まれるような説得力のあるエピソードを生み出しています。時代的に重い背景もありますが、オリガの存在感やキャラクターが全体として暗さを感じさせることも無いので読み易いです。考えさせられて、胸に響くものがきっと見つかる本
人の絆に本気で向き合うことができる作品
両親がいない2人きりの兄弟の兄が、主人公である弟の大学進学の資金の為に空き巣に入るのですが、その場で殺人を犯し捕まってしまいます。兄は獄中の中でも弟を思い毎月手紙を送り続けます。しかし、主人公は「強盗殺人犯の弟」というレッテルにより、辛く厳しい現実に悩まされ続けるのでした。守らなくてはならない人物にまで社会の厳しい現実が襲う時、主人公は一つの決断を下すことになる。
弟を大切に思うあまりに罪を犯してしまった兄と、その兄が存在するが故に苦しめられている現実との間で苦しまされる主人公の人生が描かれています。「加害者の家族」という普段はスポットの当たりづらい人々が、事件を犯した家族とどう向き合っていくのか非常に難しい問題に迫られることになります。人との絆について考えさせられ、涙抜きにして読むことができない作品
東野圭吾が描く大人気ミステリー「ガリレオ」シリーズの長編小説
天才物理学者の湯川学が事件を解き明かす人気シリーズ「ガリレオ」初の長編作。天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神が、思いを寄せる隣人の家族を守るために完全犯罪を企てる。天才として認めあっていた湯川は謎を解き明かすうちに、事件の驚くべき真相と石神の信じられない深く悲しい思いを知ってしまう
サスペンスでありながらも深い人間ドラマが描かれた作品。読んでいてこれほど衝撃を受けた作品は数多くはありません。ちなみに、映画化もされて大ヒットしていますが、非常に良くできているのでそちらもおすすめです
高度経済成長期の財閥一族を取り巻く壮絶なる物語
社会小説家の第一人者である山崎豊子さんの代表作の1つ
財閥の当主である万俵大介を中心に、高度経済成長期の金融を取り巻く社会の光と闇、そして壮絶なる一族の関係が綿密に深く描かれています。モデルになったとされる財閥や銀行、製鉄会社があり、「現実でも様々な思惑や欲望が渦巻いているのかもしれない」と社会の見方が変わる影響力を持つ作品です
ちなみに、2度目のドラマ化では木村拓哉さんが演じる息子の万俵鉄平が主役。重厚かつ壮大で難しいストーリーですが、見事に演じる彼の凄さと魅力、脇を固める出演者、原作の面白さを色褪せることなくまとめた脚本に惹きつけられました。「白い巨塔」「沈まぬ太陽」「不毛地帯」など、山崎豊子さんの作品は原作小説だけでなくドラマも非常にしっかり作られて面白いので、原作を読んだ後に視聴してみるのもおすすめです
破滅した世界を旅する父子に待ち受けるのは絶望か希望か
灰色の雲と灰に覆われた荒廃した世界を父親と少年が南を目指して旅をする。旅中で出会うのは略奪や暴力、飢えや苦しみに満ちた人々ばかり。絶望的な状況の中で少年は彼らを救おうと手を差し伸べようとする
現代文学の巨匠コーマック・マッカーシーが描く衝撃作。絶望に満ちた世界の中でも「善き人」として生きる親子に何を思うのか。1度読むと決して忘れることはできず、読んでいる最中は絶望感に苛まれます。ただ、その世界観に引き込まれて感情が大きく揺れ動くのは間違いなく、そこが名作たる所以なのかもしれません。
現役医師が書いた傑作医療ミステリー
現役の医師である海藤氏が外科手術の医療過誤について描いたミステリー小説。成功率100%を誇っていた東城大学医学部付属病院のバチスタ外科チーム、通称「チーム・バチスタ」が3例続けの術中死をおこしてしまう。現場ではいったい何が起こっていたのか謎に迫る
現役の医師ならではの詳細な現場情景や医局政治などが非常に興味深く描かれています。主人公である田口と白鳥を中心とした登場人物のキャラクターが魅力的なので、医療という難しいテーマでも気軽にエンタメ的に読むことができます
ある朝、目を覚ますと一匹の大きな虫になっていた
主人公のグレーゴル・ザムザが目を覚ますと一匹の大きな虫になっているところから物語が始まります。家族はパニックになりながらもグレーゴルの世話をし、彼自身は部屋に閉じこもりひっそりと過ごすことになる
難解な作品が多いとされているカフカですが、この作品は比較的読み易くなっています。虫になった主人公と家族がどのように関わっていくのかという悩みや葛藤を描いた「家族のつながり」が一つのテーマですが、読む人の視点によって様々な捉え方ができます。インパクトがあり考えさせられる作品です
記憶が80分しか持続しない元数学者の「博士」の心が温まるストーリー
主人公の「私」と息子の「ルーク」、そして記憶が80分しか持続しない元数学者の「博士」の3人の愛に溢れた心温まる話です。博士の数学を通した日常はとても美しく、新しい視点から数学の魅力に気づかせてくれます
3人全てが魅力的な人物で、特に「博士」と「ルーク」の無垢で純粋な性格が愛おしくてたまらなくない。暖かい雰囲気の話なので、穏やかな気持ちになりたい時は手にとって読んで欲しい一冊です。
美しくも厳しいアラスカに魅せられる
アラスカの自然と動物たちの生き様を写真に撮り続け、数々の作品を残した星野道夫氏。本書は美しくも厳しい生と死が隣り合わせとなる環境の中でも、穏やかに過ぎるアラスカでの生活を描いたノンフィクション小説です。
写真が使われていないにも関わらず、アラスカの情景が鮮明に目に浮かぶような素晴らしい描写です。星野氏のアラスカ愛が伝わってきて、一つ一つの日本とは全く異なる生活や文化を描いたストーリーが新鮮で読むだけでも知的好奇心を満たしてくれます。読了後は、彼のアラスカの写真集を見ると背景まで見えてくるのでより一層楽しめます
記憶が80分しか持続しない元数学者の「博士」の心が温まるストーリー
主人公の「私」と息子の「ルーク」、そして記憶が80分しか持続しない元数学者の「博士」の3人の愛に溢れた心温まる話です。博士の数学を通した日常はとても美しく、新しい視点から数学の魅力に気づかせてくれます
3人全てが魅力的な人物で、特に「博士」と「ルーク」の無垢で純粋な性格が愛おしくてたまらなくない。暖かい雰囲気の話なので、穏やかな気持ちになりたい時は手にとって読んで欲しい一冊です。
「その日」に向けて何が出来るだろうか
家族の「死」がテーマの短編集。ずっと続くのが当たり前のはずの日常が、家族の死によって消えてしまう。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…
辛くなるので2度目は読みたくないのですが、1度読んでおいて本当に良かったと思える本です。何気ない日常の幸せと家族を含めた周りの人々の大切さを再確認できます。いつかは必ず訪れる「その日」に向けて、自分ができることを考えるキッカケになります
何度も読み返したくなる優しく純粋な恋愛小説
アル中の「笑子」と同性愛者で「紺」という恋人がいる「睦月」という、少し変わった組み合わせの夫婦達の物語。当人たちは「普通」な夫婦として過ごしたいのだが、周りの人々に彼らが描く「普通」という価値観を押し付けられていく。恋愛や幸せのかたちとは何か、これぞ純粋な恋愛小説
恋愛小説を読む機会は少ないのですが、この本は定期的に読み返したくなります。自身が年齢を追い立場が変わると、少し奇妙な関係に見えていた登場人物たちの印象が違って見えてきます。純真な気持ちに戻りたいときに読んで欲しい一冊
純粋すぎる青年の繊細な感情を描いた切ないストーリー
勉強に励む少年ハンスはエリート養成学校の神学校に見事合格を果たす。町中の大きすぎる期待を背負った彼に待ち受けていたのは、今まで自身が築いてきた人生への疑問であった。純粋で繊細すぎる少年の切ない人生を描いたヘルマン・ヘッセの代表作
殆どの人は何かしらの挫折を味わい、少なからずともハンスと重なる部分があるのではないでしょうか。彼や周りがどうするべきだったのか一考に値するテーマです
ほっこりとした気持ちになれる温かみのある物語
北欧フィンランドにあるヘルシンキで日本人女性のサチエが開いた「かもめ食堂」。看板メニューは彼女が心をこめて握る「おにぎり」で、お客は日本かぶれのトンミだけ。ある日、ひょんなことからミドリ、そしてマサコと2人の女性が店を手伝うことになる。緩やかに流れる「かもめ食堂」のささやかな日常を描いた心温まる物語
何気ない話がゆったりとした時間の中で進んでいく物語ですが、それが心地よく穏やかな気持ちで読むことができます。ちょっとした幸せな気分になれる素敵な本です
子供の時は知っていた大切なものを思い出すことができる
サハラ砂漠に不時着した操縦士の「ぼく」が小惑星からやってきたという星の王子様と出会う。王子さまは様々な星を巡り出会ってきた変わった大人たちの出会いを語る。2人だけで過ごさなくてはいけない中「ぼく」と王子さまは絆を深めていく
幼少の頃に読んでいた作品ですが当時は何が面白いのか理解ができず分からないことばかりでした。それもそのはずで、子どものころに当たり前と感じていたことが書かれているので伝わってくるものが無かったのです。時を経て、大人になって改めて読むと、王子が惑星で出会った変な大人たちの意外な正体に気づくこともでき、人生において大切な教訓を思い出させてくれます。大人になったからこそ、手元に置いて何度も読み返したい素敵な本です
自然体の村上春樹氏に出会える旅行記
村上春樹氏が国内外の7つの地域を巡った旅行記。モンゴル草原、北米横断、メキシコ、讃岐などで繰り広げられたエピソードを、小説とは違った自然体な一面で描いています。彼の新たな魅力が見つけられるエッセイ
数々の名作を著いてきた村上氏の小説は、彼の独自の世界観や一つ一つの文章が美しい作品ばかりです。最近では、権威ある賞レースで話題に挙がることが多く偉人としての印象すらあります。このエッセイでは自然体で人間味が溢れる彼の魅力が詰まっており、世界的な小説家ならではの面白い視点で旅を描いています。彼の新たな一面が見えて純粋に面白い作品です。個人的には、讃岐うどんのパートが好きです
会計のことが面白く学べる入門者向け小説
経営コンサルタントの北条は突然事故死してしまうが、天使であるKが現世に復活するチャンスを与える。その条件とは、人生の崖っぷちに追い込まれた5人を会計ノウハウを使って幸せにすることであった
ご都合主義のようなストーリーにも関わらず、純粋な小説としてもクオリティが高く面白い。会社を立て直すシチュエーションによって会計知識を使い分けているので、どうのような場面で何が使えるのかイメージしやすくなり、実際の会計業務や試験にも役に立ちます。「会計知識」があるかどうかでビジネスにおけるチャンスも変わってくるので、この本を学ぶきっかけにするのも良さそうです
経済・ビジネス
社会人になって資産運用を始める前に読みたい本
著者のロバート・キヨサキ氏が出会ったとされる「金持ちの人」と「金持ちではない人」の違いを比較した世界的なヒット作品。高学歴でも金銭問題に悩まされる方と、中卒でも豊かな生活をおくれる方はどこが違うのかと、著者なりの理論を分かり易く紹介しています
資産運用を中心としたお金に関する勉強を始めようと考えている方が取り敢えず読んでおくのをおすすめしたい一冊。ざっくりと資産運用に関してのイメージを持つことができるので、読破後は資産運用の勉強の方向性を立て易くなります。
ビジネス書の言わずと知れた名作
『企業寿命は30年』とも言われる中、時代を超え、際立った存在であり続ける企業(ビジョナリー・カンパニー)は如何にして生き残っているのか、著者のジム・コリンズを中心としたメンバーがアメリカの主要企業を分析してその謎を解き明かす。
名著と名高い当書ですが、評判通りに面白く非常に興味深い内容です。「ジョンソン&ジョンソン」や「ウォルト・ディズニー」、「ソニー」など馴染み深くイメージしやすい企業が分析されているので意外と読み易い。経営者はもちろん、ビジネスに携わるすべての人が読んでおきたい一冊
データを見れば「相撲に八百長が無いとはとても言い張れない」
日常生活から裏社会まで気になる「当たり前」だと思っていることをデータを用いて違った視点から分析しています。「相撲の八百長はデータを見れば分かる」「勉強ができる子の親ってどんな人?」など、テーマが面白く経済学というよりも雑学の感覚で気軽に読むことができます
「データを用いて真実を明かす」というような本は数多くありますが、この本はテーマの選択が絶妙に面白いものばかりなので明日にでも人に話したくなるものばかり。日常の話題を広げたい方にもおすすめです
ハードウェアのシリコンバレー「深セン」の現在
ここ数十年での中国の飛躍的発展は誰しもが知るところだが、中でもわずか30年余りで30万人から1200万人を越す人口規模まで成長した一大都市「深セン」の発展は目をみはるものがあります。漁業の街でしか無かった深センが、今ではものづくりの中心として「ハードウェアのシリコンバレー」との異名を誇るまでに成長した理由や現在の状況を、10年以上深く深センと関わってきた藤岡氏がリアルに語る
こちらの記事「深センに行ってみて、エンジニアはこんな街に身を置くべきだなと思った|さめたコーヒー」を読ませて頂いて非常に面白かったので、深センについての情報を探して見つけたのがこちらの本です。実際のビジネスでの現場からの視線なのでリアルな姿を知ることができます。「この本で得たことをビジネスに活かせる」という以前に、時代の変化を感じることが出来て大変面白くワクワクしました
世界一の投資家ウォーレン・バフェットの投資手法
フォーブスの世界長者番付1位になったこともある投資家ウォーレン・バフェット。当著は半世紀にもわたって高い運用成績をもたらした彼の投資手法を学べる1冊となっています
企業価値を見極め長期的に保有できる割安な銘柄を探す投資法になります。実際に銘柄を探す為の具体的なチェックポイントもあるので、投資初心者の方でも実際に銘柄を探すのに役立ちます。株式投資を始めるのであれば是非ともおさえておきたい投資本です
ヤメ検弁護士が闇社会を実名で赤裸々と描く衝撃作
元大阪特捜部で弁護士であった田中森一氏が書いた自叙伝です。政治家や暴力団との繋がり、そして検察内部の状況を実名を挙げて生々しく語っており、イトマン事件、住専、親和銀行事件、そして筆者が逮捕される石原産業事件等の闇が深い事件の裏側までも描かれています
描かれていることが全て真相かどうかは分かりませんが彼が多くの事件に関わっていたことは事実です。闇社会のフィクサーと呼ばれる人物や総理大臣であったりと大物の実名を明かして赤裸々と語られるのは他の読み物では味わえない面白さです
時代が動いた時に日本の富裕層は何をしたのか
持丸長者は日本の歴史において力を持った資産家や金持ち、財閥などの長者はどのように成り立ち、どのような影響力を及ぼしたのかを時代ごとに描いています。時代ごとに全3部作に分かれ、教科書で学ぶような人物とは少し違った有力者が取り上げられています。産業や金融に繋がるビジネスを中心とした視点から歴史の移り変わりを知ることが出来るので、少し違った歴史の話を知りたい方には是非手にとってもらいたい作品
ちなみに、3作目の「戦後復興篇」は馴染みのある企業の名前も多く出てきて読みやすいので、歴史書に慣れていなければ順序を逆にして読んでいくのも良いかもしれません
メジャーリーグの弱小チーム躍進させたデータ野球の背景に迫る
1990年代、アメリカのメジャーリーグベースボールに所属する球団オークランド・アスレチックスは低迷にあえいでいた。そんな中、新しくゼネラルマネージャーに就任したビリー・ビーンは、当時としては珍しい統計データを駆使したデータ野球へと舵を取り、20連勝という快進撃をもたらすまでの大躍進を遂げることとなる
リーマンショックを別の視点から描いた「世紀の空売り」などでも有名なマイケル・ルイス氏の著作です。金融ジャーナリストである彼は、徹底した取材で人物を深く掘り下げ、根底にある本質を描き非常に深みのある面白い作品を生み出してくれます。「マネー・ボール」はビリー・ビーンの背景や経営面などあらゆる視点から描かれており、野球を知らなくとも経済に少しでも関心があれば楽しめる作品です
創業者が自ら語る、ナイキの創業秘話
1960年代にフィル・ナイトは卒業後に出向いた神戸で、現在のアシックスであるオニツカタイガーの靴を気に入り、アメリカでの販売権を獲得することからナイキ(当時はブルーリボン社)の一歩が始まる。世界的スポーツブランドに成長したナイキの成長秘話がここに描かれる
個人的に企業の創設に関わる本は好きでよく読むのですが、数ある中でもこのナイキを描いた「SHOE DOG」は印象が良かったです。理由として、創業者のフィル・ナイト氏が良い意味でスーパーヒーロー過ぎず(充分凄すぎるのには変わりないのですが)、読者と近い視点で熱意や努力が伝わりやすかったのが理由の一つかもしれません。そして、ナイキの黎明期には日本企業が大きく関与していたことからも興味を持って読むことが出来ます。世界的企業になるまでは一筋縄では行かず、如何にして資金繰りなどの問題を乗り越えてきたのか、具体的でビジネスにおいて参考になる話も満載です
Apple創業者であるスティーブ・ジョブスの伝記
iPhoneやMacで有名な世界的企業Appleの共同創業者でありCEOであったスティーブ・ジョブスの生涯を綴った伝記です。彼の生涯は、AppleⅡという大ヒットPCを送り出すものの、傍若無人な振る舞い等もありApple社を追われ退社。しかし、NeXT社や「トイ・ストーリー」で有名なピクサーを立ち上げ、経営の傾いたAppleへ出戻り再びCEOの座へとつく。その後は、iMac、iPod、そしてiPhone等と次々とヒット作を出し続け、世界の有数の企業へと導くことになります
本人が取材に全面協力した1冊なので事細かに状況が描かれ、数多く出版されているスティーブ・ジョブスの本では間違いなくベストな1冊です。
未来を創る稀代の経営者イーロンマスク
決済サービスの「PayPal」、電気自動車の「テスラモーター」、民間ロケット・宇宙船の打ち上げ「SpaceX」と次々と新しい産業のイノベーション企業を設立してきたイーロン・マスク公認の半生を描いた伝記です
彼の魅力は人類の生活を一変させ歴史を変えるようなチャレンジを続けていることです。電気自動車でエネルギー問題に取り組み、安いコストで民間ロケットを飛ばし宇宙開発を進め、他にもハイパーループでマッハ速度のアメリカ横断輸送車の開発に取り組んでいます。不可能を可能にして未来を創り続ける男の半生が描かれたこの本は一見の価値ありです
安藤忠雄氏が東京大学大学院で行った講義を集成
「光の教会」等の建築で有名な世界的建築家の安藤忠雄氏が東京大学大学院で行った講義で語った建築論や体験談。タイトルの「連戦連敗」にあるとおり、コンペで負け続ける失敗体験を赤裸々に語ってくれます
建築家の日常が興味深く描かれており、巨大プロジェクトが絡むような「コンペで勝つには何が必要なのか?」などの話は面白く、自身のビジネスにおいても参考になります。安藤氏でも負けるのが日常であるように、どんなに頑張っても報われないことがありますが、それを糧にして次に生かせるかが大切だと分からされます。ちなみに、個人的に安藤氏の作品で好きなのは直島にある「南寺」です
ビジネスに携わる全て人におすすめしたい本
優れた経営者の正しい判断が大企業を失敗へと追いこむことが度々あるが、原因は何故なのか?本著ではハーバード・ビジネス・スクールの教授である著者が企業の盛衰を詳細に分析してその答えへと導いてくれます
一例として、既存の優良企業の成功体験が足枷となりイノベーションの流れに乗ることができない等がありますが、これらを具体的にハードディスク産業などの市場をあげて分かりやすく説明してくれます。ありふれたビジネス書とは違った視点で経営のアイデアを得られる名著
単なる「箱」がイノベーションを起こし世界を大きく変えた
現代物流に欠かすことができないコンテナ。トラックから船に乗せ換えるだけで陸上から海上の輸送までスムーズに移動することが可能です。コンテナが普及する以前は、個別の荷物を手作業で積み替えていたので多大な時間とコストが必要で物流の大きな足枷になっていました。当書では物流を大きく変えたコンテナを普及させたマルコム・マクリーンと、コンテナが世界経済へ及ぼした影響を描いたノンフィクション
コンテナの普及には、失われる雇用や利権を巡る大きな圧力を乗り越える必要がありました。ビジネスにおいてイノベーションをおこす際に問題はつきものであり、その1つの解決方法が載せられています。人間ドラマ、物流の歴史、ビジネス等、この一冊で得られるものは少なくありません
経済についてよく分かる読み易い入門書
人気広告クリエーターの佐藤雅彦と当時慶応大学教授であった元大臣である竹中平蔵氏による「経済とは何だ」というテーマについての対談集。佐藤氏は広告という人々に分かりやすく伝えることを生業にしているだけに、読者と同じ目線で経済に関する素朴な疑問をシンプルで核心を突く質問をしてくれ、竹中氏の説明もユーモアも交えながら非常に分かりやすく答えてくれます
10年以上前に出版されたものなので少し古い話題もありますが、経済に関する抜本的な内容は今でも十分に通じます。「税金」や「投資」、そして「なぜアメリカが経済大国なのか」など網羅的に気になるテーマを幅広く取り上げています。経済に興味を持ち始めた人は勿論、大人になって「今さら聞けないこと」がある人に是非読んでほしい作品です
ビジネスに携わるなら読んでおきたい起業の基本が分かる本
ベンチャーキャピタル業を中心として活躍する磯崎哲也氏が執筆した起業の解説本。タイトルに「ファイナンス」とありますが、会社の始め方から事業計画の作り方まで全体像が書かれているので、この一冊を読めばおおよその起業の流れをつかむことができます
多くのベンチャーに携わってきた経験や会計士である確かな知識を踏まえ非常に分かりやすく説明されています。企業価値など会社について学ぶことができるので、これから起業する方はもちろん金融業界を中心としたビジネスマンは購読しておきたい一冊
歴史
13000年にわたる人類史の謎を解き明かす
当著はアフリカが起源とされる人類史において、なぜヨーロッパ諸国とその他の地域では文明的に大きな差が生まれたのかという謎を解き明かしていきます。「銃・病原菌・鉄」があれば優位という単純な見解ではなく、なぜ発展した国はそれらを使いこなせ、貧しい国は使いこなせなかったのかという比較になっています。文明における話の一例として「エジソンのような天才は何故に発展した国で生まれるのか」など、考察における範囲が非常に幅広く惹きつけられます。
勉強の為にと読み出したのですが、単純に面白く一気に読み終えてしまいました。既知の情報でも違った視点で深く考察することで、読み手の視野を広げ成長させてくれる、まさに名著と呼ばれるのに相応しい素晴らしい作品です。
人類は何故栄え、そしてこれからどうなるのか
イスラエルの歴史学者であるユヴァル・ノア・ハラリが人類250万年の歴史に迫る。なぜ人類が地球上を支配するようになったのか、その一つの答えにたどり着く。マイクロフトのビル・ゲイツやFacebookのマーク・ザッカーバーグなど著名人が声を揃えて絶賛する世界的ベストセラーの歴史書
アフリカのサバンナが起源とされている人類が、過酷な競争の中で食物連鎖の頂点に立ち文明を築くことが出来たのは「虚構を信じる力のおかげ」という切り口が斬新。「国家」「宗教」「企業」「法律」など、確かに実態が無いものを他人と協力し認めあうことで今の人間社会は成り立っている。しかし、これらは人類を幸福にしたのか?単なる歴史書ではなく、様々な問題や「これから人類はどこへ向かうのか?」という未来を見つけるヒントがこの本に描かれています
人類史上比類なき大帝国のローマ史を描いた超大作
ローマ建国から西ローマ帝国の滅亡までの約1,200年の歴史を描いた超大作の歴史小説。人類の歴史上でも比類なき大帝国を築き上げた古代ローマについて書いた小説では当著に代わるものはありません
ボリュームが多い為になかなか手に取りづらいシリーズですが、いざ読み始めると文章も読み易く1冊づつよく纏まっているのでサクサク読み進めることができます。人類における歴史の中で古代ローマが果たした役割は計り知れず、偏にローマと言ってもエピソードが多いので飽きることがありません。一度読み始めると止まらないので寝不足も覚悟してください
「アメリカ史上最強の一族」によって初めて書かれた貴重な自叙伝
石油王のジョン・ロックフェラーの孫であり、銀行家のデイヴィッド・ロックフェラーによって書かれた回顧録。資本家の代名詞であるロックフェラー家の当主という立場だけにとどまらず、ハーバード大学卒でシカゴ大学の経済学博士号を取得するなど教養も身に着け、チェース・マンハッタン銀行のCEOとして海外に事業拡大し世界の政財界史を築き上げた人物です
世界を牛耳る「陰謀論」の主人公としても名が知られているデイヴィッド・ロックフェラー氏ですが、この回顧録ではこの件についても語られていることが面白いところです。近代の世界経済史を語るうえで欠かすことのできない彼の生涯を綴ったこの一冊は、ビジネスに携わる人であれば是非とも読んでおきたい一冊
世界中の詐欺とペテンの手法が600例以上掲載された大百科
500ページ以上にも上る圧倒的なボリュームで古今東西で起こった詐欺やペテンが描かれています。『外貨投機詐欺』のような”いかにも詐欺!”というものから、『ゴキブリ駆除器詐欺』など一風変わったものまで幅広く掲載されていて、中々飽きることはありません
現在でも架空請求や詐欺サイトによるフィッシング詐欺、振り込め(オレオレ)詐欺など様々な種類があります。しかし、時代とともにペテンや詐欺の細かい手口は変わっても本質的なものは昔から変わらないようです。単純な読み物としても非常に面白いのですが、歴史書や詐欺やペテンの対策としても有能です
世界の姿は砂糖の歴史を紐解くことで見えてくる
貴重であった砂糖を作るには多大な労働力が必要となり、これが奴隷制度へとも繋がるなど砂糖がもたらした影響は非常に大きなものでした。砂糖による物資の往来によって文明や産業が大きく変化していく世界史を違った視点から見ることができます
本来は学生向けの内容だと思いますが、その分読みやすく分かり易いので大人でもおすすめです
日本独自の暦を作る壮大なプロジェクト
徳川四代将軍家綱の元、日本独自の暦を作るという一大プロジェクトが立ち上げる。改暦の実行者として選ばれたのは御城碁に出仕していた渋川春海(安井算哲)。算術や天文学にも精通していた彼は、日本の歴史上でも大きな難問であった「改暦」に挑むことになる
歴史小説といえば戦国時代や維新であったり、歴史の大きな変換期を描いたものが多い中「暦を作る」というテーマは斬新で非常に興味深いものです。この本を読む前は改暦が難しいものとは知りませんでしたが「技術」「政治」「宗教」「経済」等、考慮しなければならない課題が多く、一つ一つの課題を如何にして乗り越えるのか目が離せない展開の連続でした。歴史好きな方はもちろん、技術職やビジネスに携わるあらゆる方に読んで欲しい本です
弱小のカリスマ城主が起こした奇跡を描くエンタメ歴史小説
豊臣秀吉の命を受けた石田三成は2万の兵を率い、小田原のわずか500名の支城である「忍城」を落としにかかる。しかし、その城主であり領民から「のぼう様」と呼ばれる成田長親が率いる「忍城」での攻防は誰しもが思わぬ結末を迎える。決して秀でた武将とは言えない「のぼう」が起こす奇跡とは
「木偶の坊」から「のぼう様」と称された成田長親は決して優秀とは言い難いのだが、その人柄で領民の人望を集めていた。彼の描き方が上手くて、領民だけでなく読者にも魅力が伝わってきて、気づくと一緒になって「のぼう様」に惹かれています。堅苦しくなく気楽にスラスラ読めるので、歴史小説に慣れていない方でも楽しく読むことができます。歴史はこのような知らないドラマがいくつもあるから褪せること無く面白いものですね
茶の道を進んだ千利休の波乱なる生涯を描く
茶人として世に知られる千利休の生涯を描いた作品。豊臣秀吉に切腹を命じられ実行にうつる直前から遡り、様々な登場人物からの視点での千利休の物語が展開されていきます
歴史の教科書で学ぶ千利休は大体が茶人として描かれていますが、この作品では織田信長や豊臣秀吉にも仕えた権力者としての面が大きく取り上げられています。切腹に対する命乞いよりも死を選ぶ千利休の信念であったり、心に秘めた愛など、今まであまり知られることのなかった千利休がみられる面白い一冊
学習・教養・実用書
昆虫などの食レポならこの一冊におまかせ!
前書きに「あらゆる生物は人間の食材として平等である」とある通り、あらゆる生物を食べる”料理本”です。どんぐりなどの木ノ実から、ミミズ、ゴキブリ、カブトムシ等の昆虫類に渡る40種近くの「身近にある食材」について詳細に書かれ、日常では得ることが難しい興味深い情報を知ることができます
日本に住んでいると先入観があり実際に食すことは難しい食材ばかりですが、だからこそ味についてのレポートは斬新で非常に興味深いものばかりです。文章は詳しくて分かりやすく、そして面白く描かれているので「気持ちが悪い」ということよりも「楽しく」読むことができます。いざという時の為の食糧難にも役に立つかもしれません
バッタ博士がアフリカのモーリタニアで体験した奮闘記
ユニークな表紙や筆者名ですが、れっきとしたバッタの研究者である筆者が野生のサバクトビバッタの生態観察のために訪れたアフリカのモーリタニアでの奮闘記。バッタの生態研究に加え、研究者として研究資金を確保するエピソードやモーリタニアでの異文化体験記が興味深く描かれています
困難な状況も面白おかしく描かれているので楽しく読むことができます。筆者の「バッタに対する愛」が存分に込められた、笑えて感動できる良書です
スパイに興味がある人は必見
イスラエルの諜報特務庁、通称モサドの伝説的スパイであったウォルフガング・ロッツが書いた、実用性の高いスパイ入門書。冒頭にスパイの適正チェックシートもあり、スパイに興味がある人や志願者は必見
「そもそもスパイとは何?」というところから、仕事内容や訓練、仕事先での身の振る舞い方から逮捕された時の対応まで、著者の経験を元に可能な限り具体的に教授してくれます。映画などで大活躍をするスパイの現実が垣間見えたりして、知的好奇心も満たしてくれる面白い本です
スパイに興味がある人は必見
イスラエルの諜報特務庁、通称モサドの伝説的スパイであったウォルフガング・ロッツが書いた、実用性の高いスパイ入門書。冒頭にスパイの適正チェックシートもあり、スパイに興味がある人や志願者は必見
「そもそもスパイとは何?」というところから、仕事内容や訓練、仕事先での身の振る舞い方から逮捕された時の対応まで、著者の経験を元に可能な限り具体的に教授してくれます。映画などで大活躍をするスパイの現実が垣間見えたりして、知的好奇心も満たしてくれる面白い本です
ビジネス書を効率的・戦略的に読みこなす投資としての読書法
年間400冊のビジネス書を読み仕事に活かしているコンサル会社の社長が書いた「ビジネス本の読み方」の本。「読書は最も効率の良い投資である」という考えの中、いかに効率的に自身のモノにしていくかを教えてくれます。
小説などは一節毎の言葉の美しさや意味を楽しむものですが、一方でビジネス書は実際のビジネスに応用することが重要です。日々の限られた時間を効率的に使うために読んでおいて損はない一冊です
効率的な読書法を身に着けよう
1940年米国で刊行されて以降、世界各国で読まれ続けてきた本を読むための本。「初級読書」から「点検読書」、「分析読書」等のスキルを学ぶことで、読者を積極的な読書へと導いてくれます。
「読書とは、我々を励まし、どこまでも成長させてくれる」ともある通り、読書術を身に着けるために深く読み込みたい
人気落語家である立川談春の渾身のエッセイ
「最もチケットが取れない落語家」と言われる立川談春氏が書いたエッセイ。言葉を扱う「落語家」という職業だけあって文章が上手くエピソードは勿論面白い!繰り返して言いますが、面白いです!
時代を築いたドリフターズのリーダーいかりや長介氏の自伝
テレビの黄金期とも言える時代にお茶の間に最も人気があったドリフターズ。そのリーダーであるいかりや長介氏が自らの半生を語った、貴重なエピソード満載の自伝
ドリフターズの結成からメンバーの話、一世を風靡した「全員集合」の舞台裏などが事細かに描かれ、彼の几帳面で律儀に溢れた人となりが伝わってきます。国民的番組にまでなったコント番組のネタ作りの苦悩から、晩年は俳優として活躍し大ヒットとなった「踊る大捜査線」シリーズの成功まで、幅広い世代で楽しむことができます。テレビの歴史における黄金期を知る上でも読む価値ありますし、何より芸能人のエッセイとしては抜群に面白い!
ハーバード・ビジネススクールの教授がおくる珠玉の訓話
アメリカ屈指のビジネススクールのハーバード・ビジネススクールでは、学期末の最終講義で教授自身の体験に基づいた訓話を話すことが伝統となっている。この本では最高峰のビジネス・スクール教授による珠玉のエピソードの中から、選りすぐりの15の話を読むことができます
ハーバード・ビジネススクールの教授はビジネス界でCEOとして活躍している方も多く、学術的な話だけでなく実際の現場での豊富な経験に基づいたエピソードも数多くあります。ビジネスを志す方はもちろん、社会人として何か得たいものがあれば是非読むことをおすすめします
人のラブレターを覗き読みしてみませんか!?
ラブレターは通常であれば作成した本人と受け取った相手の2人しか読むことができない手紙です。この本では他人の150通もの愛の込められたラブレターを読むことができます
思いを伝えたいという渾身の文章で書かれているので、ときには空回りしているものもありますが、とにかく本気だから面白い。それに他人のラブレターを読むというちょっとした罪悪感が好奇心を刺激します
英文で書かれていますが難しい単語はあまり使われていないので比較的読みやすい本です。英語の勉強として楽しみながら読むのも良いかもしれません
人生において進むべき方向を導いてくれる名著
『国民教育の師父』と呼ばれる、教育者・哲学者である森信三先生による修身の講義をまとめた本書。学校の教師を目指す学生に向けての講義ですが、その内容は万人における「人としていかに生きるか」ということの原点に迫る内容が描かれており、昭和初期のものにも関わらず今もな多くの人々に支持されています。
内容の充実度にも関わらず1講義は数ページ毎にまとめられ、師範学校の若い生徒に向けて口述された文章なので読み易い。若い人は勿論、歳を重ねても読むごとに新たな発見があり、きっと人生における金言が見つかります。何度も読み返したくなる本物の名著です
世界一になったプロ・ゲーマーが明かす勝負の哲学
日本初のプロゲーマーとなった梅原大吾氏が世界一になるための勝負における哲学を描いた著書。世界の格闘ゲーム界で「カリスマ」として讃えられ、プロゲーマーという業界を切り開き戦い続ける彼の勝利のための哲学を垣間見ることができます
そもそもプロゲーマー業界という日常では知り得ない世界の話が面白い。ゲームは身近で多大な参加者がいますが、その世界で頂点になる彼の哲学はゲームだけにとどまらず仕事や学業での成功にも大いに参考になりそうです。
考える力を身につけるために必要なこと
30年以上前に書かれていた本ですが、日常で行ってる「考える」という抽象的になりがちな行為の質を高める方法を具体的に教授してくれます。何気なく考えたりすることも、ちょっとした意識を持つことで深く効率的に向上させることが可能です
インターネットが普及した現在では入手できる情報量も多くなり、知識は増えるのですが思考力が高まっている訳ではありません。「知識はある程度たまってくると今度は逆に減らす技術が必要となってくる」といった理論から、思考力を高めるために実戦すべき方法を具体的に記しています。自身のレベルアップのために一度は読んでおきたい本です
論理的思考力の基礎が身につく入門書
論理的思考(ロジカルシンキング)の方法を子どもにも分かるように書かれた分かりやすい入門書です。問題解決のプロセスやロジックツリーなどの手法もしっかりと説明されているので、基礎的なものであれば大人でも再確認するために役立つ内容です
「相対性理論」を分かりやすく理解できる本
「相対性理論」とは難しい理論の代名詞的な印象がありますが、この本では数式や難しい用語を使わずに誰にでも分かりやすいように解説してくれます。相対性理論そのものの説明にとどまらず、アインシュタインの生い立ちから宇宙論への応用まで書かれているので「基本的な理論についてはある程度知っている」という方でも楽しめる内容になっています
相対性理論については「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」の2つがあることをにわかに知っている程度だったのですが、どのような場面で必要とされていて何が優れているかなど概要程度の知識が身につきます。何となく「相対性理論とはなんだろう??」と、長い間もやもやしていた疑問が解決してスッキリしました。学生の方はもちろん、大人の方にもおすすめです
宇宙まで続くエレベーターの建築は本当に実現可能なのか!?
実現すれば宇宙空間まで簡単にアクセスが可能とされている宇宙エレベーター。その完成までには約10万kmにも及ぶケーブルを宇宙空間に浮かべる必要があるとされています。一見夢物語のような話ですが、実は完成に向けての壮大なプロジェクトは世界各地で実行に移す兆しが出てきました。宇宙エレベーターは本当に実現可能なのか!?物理学からその真偽を解き明かしてきます
宇宙エレベーターという興味深い題材を通して、原理や仕組みを物理学から解き明かしてくれます。難しいイメージの「物理学」が少し身近なものに感じられるので、学生の方はもちろん理系を敬遠していた大人の方にも楽しんで読んで欲しい1冊です
世界最初のステルス機の制作秘話が明かされる
ロッキード・マーティン先進開発計画、通称「スカンクワ-クス」の現場責任者であるベン・リッチーによる、機密事項でもあったステルス機をはじめとする最先端航空機の開発秘話。レーダー等で察知することが無いステルス機は当時からの最先端技術の結晶であり、その開発には技術的にも政治的にも多くの課題があり「スカンクワークス」がいかにして乗り越えてきたのかが描かれています。ちなみに、表紙のF-117Aにも触れつつも、A-12ブラックバードの開発話が中心
最先端の航空機開発に関する技術者たちのプロジェクト秘話。当時の最新技術はどのように生み出されたのかという技術的なものにとどまらず、難解な機密プロジェクトを如何にして成功させたのかという要素も含まれているので、エンジニアの方はもちろんビジネスに携わる人も興味深く読むことができます。既に絶版になっているので、気になる方は早めに購入しておいたほうが良さそうです
外国語の上達に有益な何十年も愛され続けている名著
東京外国語大学の名誉教授である千野栄一氏が外国語の上達のために必要なものを記した一冊。千野氏はチェコ語を中心としたスラブ語学が専門としており、チェコ語などを中心とした話になりますが、英語を含め外国語の上達のために必要な工程や心得を学ぶことが出来ます。
直近の試験で高得点をとるテクニックであれば他の本がおすすめですが、この本では外国語学習の土台を築くことができます。安直にに語学取得を促すわけではなく、各々で本当に語学取得が必要なのか、どれほどの語学力が必要なのかを理解させてくれます。外国語学習が必要な方は、勉強に取り掛かる前に読むことを強くおすすめします
見てるだけでも楽しく分かりやすいデザイン本
Webサイトからチラシ広告の印刷物まで幅広く使えるテクニックが詰まっているデザインの入門書です。基本的なデザインから配色やフォントの細かいテクニックまでとにかく分かりやすくて読みやすいのが特徴です。本の中身自体が洗練されたデザインになっているので見ているだけでも参考になります。
デザインのスキルが身につけば、仕事での資料、お店のメニューや自身のWebサイトなどあらゆる分野で使え、少し工夫をこらすだけで高い評価を得られます。「日常で役に立った本は何??」と聞かれた際には、真っ先に教えたい本の一つです
絵が上手く描けると楽しくなる!
特に絵の勉強をしたことがない人向けの絵の描き方の本です。「顔の書き方編」となっていますが、絵を書くための基本的なことが抑えられているので全体的な画力の向上につながります。漫画でイラストが多用してあるので、具体的で非常に分かりやすい
日常的に絵を描く訳ではなかったのですが、仕事などで説明をする際にさりげなく描いた自身の絵の下手さに愕然として、対応するためにたどり着いた先がこちらの本。本格的な技術書を読むレベルには到底達していなかったので初心者向けのこちらの本が凄く役に立ちました。いつかは上手い絵を描きたいと少し憧れをもっている人は是非手にとってみて下さい!もう悩まなくていいし、何より絵をかくのって本当に楽しいと気づきます!
統計学を学ぶと世界の見方が変わる
予備知識がない状態から「検定」や「区間推定」という統計学の最重要な項目を学ぶことが出来る入門書。純粋な「統計学」の勉強にとどまらず、ビジネスにおいて数字を用いて説得力のある資料作りや、株式投資のリスクリターンの出し方まであらゆることに応用が出来る知識を得ることができます
「統計学」は本格的に勉強するのであれば難しいのですが、実は日常的のあらゆるところに広く使われていいる身近なものです。数字で正確に物事を捉えることで、印象や固定概念に惑わされること無く正しい判断にたどり着くことができます。本書を読めば、「統計学が使われてもの」や「基本的な項目」が学べるので入門書として非常に有能です
プレゼンの腕を上げたいならこの一冊
最先端の第一人者がプレゼンを行うTED。各講演者のプレゼンは人を惹きつけ、世界中のビジネスマンが参考にしています。本書では、ベストセラー『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』の著者としても有名なガロ氏が、500以上のTEDのプレゼンを分析して発見したプレゼンの法則を惜しげもなく披露しています
プレゼンが上達するテクニックを身につけるためには知識等をインプットすることも需要です。とはいえ、実際の現場では雰囲気や間の作り方も大切になるために本を読むだけでは不十分になりがち。この本の良いところは、TEDで公開されている実際のプレゼンを元に話が進むので、動画を視聴しながら具体的な重要ポイントが理解できます。マイクロソフトのビル・ゲイツ氏や物理学者のスティーブン・ホーキング氏など有名な方も数多く取り上げられているので興味を持ち易い。プレゼンで一目置かれたいのであれば、是非手にとってみてください
人生のあらゆる場面で使える兵法書
『孫氏の兵法』と呼ばれる中国最古のすぐれた兵書。今から二千年以上昔の春秋戦国時代に書かれ、世界で最も売れ続けている戦術・戦略書です。全13篇からなる本書は、戦争を決断する前の段階から実戦での戦術や戦略、そして敵情偵察まであらゆることが記されています。現在でも読まれ続けている理由として、孫氏の教えは人生の広い局面で応用することができ、特にビジネスにおいては共通するものが多いということがよく挙げられます
学校の歴史の授業で学ぶので知名度はあるのですが、古い書なので読むのは敬遠しがちです。本書は原文と読み下し文と現代語訳、そして注釈まであるので比較的読みやすくなっています。ビジネスで成功したい時、解決できない問題や壁にぶつかった時に読むと新たな発見に繋がるかもしれません
シスターが書いた心温まる言葉
シスターである渡辺和子さんが生き方や考え方を書いた本。人生は必ずしも思い描いた立場や環境で過ごせるわけではなく、そんなときはどうするべきなのか一つの答えを導いてくれます
自己啓発本は1冊のうちに1~2つ心に残る言葉が書いてあって、読んだ後にやる気が出ればいいのではないかと思います。綺麗な言葉で書かれているので読んでいて心が穏やかになりますし、現状に行き詰まったと感じた時に読むと元気が貰えるかもしれません
面白くてやる気の出るエンタメ自己啓発本
一時ブームになった人気の自己啓発本。関西弁の神様・ガネーシャがダメなサラリーマンの前に現れ、人生で成功するための課題を次々と出していきます。「コンビニ募金をする」や「靴を磨く」など、身の回りですぐにできる細かいことですが、実は一連の指示は歴史上の成功者たちの教えにのっとった行いでした
本著の良い点は、神様であるガネーシャのキャラクターが面白いので楽しく読めること。そして、具体的に何をするべきなのか描かれていることです。自己啓発本にありがちな「何となく良いことを抽象的に羅列しているだけ」では無く、手塚治虫やマイケルジョーダン、リンカーン等の様々な成功者が心掛けてきた具体的な行いが学べます。自分を変えるためのヒントを探しているのであれば読んでみて下さい
旅先で出会った心震わす食事の数々
著者の石川直樹氏が世界中を旅しているときに心に刻まれた食事を紹介しているフォトエッセイ。「インドのカレー」「アラスカのイクラ丼」「北極のオートミール」「アルゼンチンのアサード」「チョモランマのこんにゃくゼリー」「ミクロネシアのパンノミ」など、現地に根付いた料理を撮影し、それらを食する意味や食に至るまでの貴重な体験を伝えてくれます
現地まで赴くことが難しい地域も多いのでグルメ紀行本としても面白いのですが、食とはどのような存在で「生きるために食べる」という基本的で大切なことを思い出させてくれます。楽しく読めて、食べることがますます好きになれる素敵な本です。ただ、絶版となっていて手に入れるのが難しいので、気になる方は見つけたら迷わずに手に入れた方が良さそうです
ドラッカーの半生を振り返る唯一の自伝
「マネジメント」で有名なピーター・F・ドラッカーは、数年前の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のブームで日本では名前を知らない人がいないほど有名になりましたが、その彼の半生を描いた自伝です。20世紀前半のウィーン生まれという背景もあり激動の時代、身近な人々や華麗なる人脈などを通してドラッカーが歩んできた人生が記されています
全15巻からなるドラッカー名著集は人生において役立つ有益な作品が多いのですが、面白さならこの「傍観者の時代」が1番です
心が温まるほのぼのしたニュースの数々
日本新聞協会が主催した「ハッピーニュースキャンペーン」で応募された記事の一部をまとめた一冊
いつの時代も新聞に取り上げられるニュースは事件などが中心となるので悪い出来事が多くなりがちです。しかし、実は世の中には大きな話題にはならずとも毎日新しいハッピーなニュースで溢れています。そんな心温まるニュースを読んでちょっぴり幸せをおすそ分けしてもらいましょう!
お気に入りの一足と、10年付き合うために
靴磨き専門店の著者が教える「靴磨きは面倒で履きつぶしておしまいでは、もったいない。自分に合った一足を見つけて、その靴に適した手入れをしながら履けば、靴はあなたの大事な相棒になり得る」という考えに基づいた、靴磨きの基本を書いた本
靴は「おしゃれは足元から」と言われたり、ビジネスにおいても手入れのされた靴は「細かい部分まで気の行き届くしっかりとした人物」と見られる重要なアイテムです。特に良い革靴は手入れをしながら履き続ける事で愛着も湧き、他にはない深みのある靴に育っていきます。不思議なことに、しっかりと磨いた靴を履くことで背筋が伸びちょっと自信が持てます。何より靴をピカピカに仕上げていくことは楽しいものです。是非、磨きがいのある「勝負靴」を手に入れて、この本で磨き方を学んで自分だけの「相棒」を育ててみてください!
あらゆる世代の人に役立つ自己啓発本の原点
世界中で1,500万部以上売り上げたベストセラーであり、リーダーとなる人に向けられた自己啓発本の原点と呼ばれている本です。「人を動かす三原則」「人に好かれる六原則」「人を説得する十二原則」「人を変える九原則」の4つの項目からなり、人と接する際の基本的な原則を説いているので、リーダーだけにとどまらずあらゆる人のコミュニケーションに役立ちます
人間関係を円滑に進めたいビジネスマンは読んでおきたい名著です
ワインの基本的な知識がつくと食事が楽しくなります
何となくワインを飲んで「美味しい」や「飲みやすい」などは分かるけど、選び方はいつも「何となく」という方も多いのではないでしょうか。この本ではワインの「選び方」から「料理との相性」、「飲み方」まで分かりやすく学ぶことができます。ぶどうの品種が擬人化されたりとイメージしやすい工夫が施してあるので、全くのゼロ知識から読んでも大丈夫。ワインの知識がつくと食事の幅が広がり楽しくなります
この本の知識は入門レベルなので読んですぐに「ワイン通」みたいな振る舞いをしては恥をかきますが、食事を楽しむには十分な知識が身に付きます。「いつかワインの勉強がしたいな」と漠然と考えたことがある人は、ぜひ手に取ってみて下さい
筋トレのモチベーション維持の為の本
健康にとどまらずメンタル的な改善まで筋トレが及ぼす影響は広く知られるところですが、この作者は「人生のあらゆる悩みは筋トレとプロテインで解決できる」と、尋常じゃない熱量で筋トレ愛を叫びます。クスッと笑えてモチベーションが上がる筋トレメンタル書です
筋トレの技術的なものを知りたければ別の本を読む方が良いでしょう。この本は、多くの人にとって筋トレで1番難しい「継続する」ために必要なメンタルを養うのに役立ちます。何事も「筋トレで解決できるのでは」と感じてくるので、筋トレが辛くなってきたときや気持ちが乗らないときに読んでみて下さい
写真を上手く撮りたい人におすすめの入門書
一眼レフカメラでの写真の撮り方が簡単に分かる入門書です。漫画を使い面白く分かりやすく説明されています、これから本格的にカメラを始める方や、基本的なことをおさらいしたい人におすすめです
レシピサイトが充実している現代に敢えての料理本
人気番組『男子ごはん』を書籍化した料理本の第9弾。100以上のレシピが掲載され、シンプルで分かりやすい解説と食欲をそそる写真が魅力的です
「クックパッド」であったり、最近では動画で手順が分かりやすい「DELISH KITCHEN」など、料理レシピは充実した情報で溢れていて非常に便利です。ただ、多くのレシピから選ぶのが少し大変だったり、よくよくメニューを振り返ると自身の好みの傾向が出てしまいがちです。選べる自由もいいのですが、たまには厳選された美味しいものから「これがおすすめ!」と、自分の考えに無い料理を楽しみたいときに料理本はありがたいものです。
本書は休日の少し空いた時間に簡単に作れるものが多く、盛り付け上手くて参考にしやすいです。ちなみに、新しいナンバーの方がクオリティが上達しているのでおすすめです
写真集
100年前の世界を知ることができる写真集
1905年から1年半の期間をかけて世界を旅したドイツ人のワルデマーク氏が撮影した写真を基に作成された写真集。日本を中心として当時の東アジアやアメリカなどの貴重で興味深い写真を見ることができます
当時の明治時代の日本は懐かしさと目新しさにあふれ非常に魅力のある景観が写されています。一方で、アメリカでは高層ビルなどが建築されて既に都市の風景は本当に同じ100年前なのかと驚きを隠せません。各国の独自文化の違いが分かる貴重で面白い一冊です
創刊以来114年の中から選んだ最高傑作の100枚
1888年の創刊以来114年にわたり人類の歴史的瞬間を撮り続けてきたナショナルジオグラフィックが数百万枚から選んだ最高傑作の100枚の写真が掲載されています。美しい自然や様々な文化、歴史的瞬間を捉えた貴重な写真はどれも目を見張るものばかりです
歴史あるナショナルジオグラフィックが選んだ珠玉の写真は1枚1枚どれも素晴らしい作品です。単に美しく綺麗なだけではなく物語や背景があるものばかりで、それぞれ写真から言葉では表現することが難しいメッセージが伝わってきてきます。写真が好きな人にはもちろん、歴史や自然、文化などに興味がある全ての人におすすめしたい一冊です
本好きは必見!世界中の素晴らしい本屋に出会える
世界の本屋さんを質の高い写真を豊富に使って紹介するビジュアル解説書。歴史や書店を始めるきっかけや、オーナーや店長、働く書店員のインタビューまで掲載。本や店を愛する溢れんばかりの気持ちが伝わってきます
本屋は「知」の集まる場所であることに含め、特に伝統ある店は格式高い雰囲気に溢れています。この写真集を見ていると本屋を巡る為に旅行に繰り出したくなります
バカで愛くるしい小学生男子のスナップ写真集
人間味あふれたスナップ写真で人気の梅佳代さんによる、男子小学生のふざけた姿を集めた写真集です。
カメラの前だからと気取ることもなく、純真無垢にふざけられるのはこの世代の男子しかいないのかもしれません。くすっと笑えて可愛く懐かしくもある写真ばかりで、みているだけで心がポカポカになり元気を分けてもらえます
ポップ・アートの巨匠アンディー・ウォホールの永久保存の作品集
マリリン・モンローやエルヴィス・プレスリーをモデルにした自画像やヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコのバナナのジャケットなど、有名な作品を数多く生み出してきたアンディー・ウォホールのカタログレゾネ
圧倒的なボリュームでウォホールの資料としておすすめです。名前を知らずとも一度は目にしたたことがあるものばかりなので、デザインに興味があるならば目を通してみたい永久保存の作品集
日本の絶景の美しさに驚かされる
「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」シリーズ第二弾の日本編。全国47都道府県の絶景を厳選しているので、身近なところで訪れたことがない名所を再発見できるかもしれません。行き方や予算を記したガイドも付いているので、旅のお供としても役立ちます
本当に死ぬまでに訪れたくなる絶景の美しい写真ばかりです。東京オリンピックも控え、2016年の訪日外国人旅行者数も過去最高を記録するなど観光産業も盛り上がりを見せてきており、日本の良さを再確認する良い時期です。いざという時に海外の方に日本の魅力を上手く伝えられるように、この本を手に自分のおすすめ絶景スポットを探し訪れてみるのもよさそうです
我々の身近にあった新しくユニークで面白い世界
Instagramで100万人以上のフォロワーを持つデザイナーの田中達也氏(@tanaka_tatsuya)が創り出すミニチュアの世界。小人の視点で世の中を見てみると、そこはまるで違った世界
ありふれた日常の風景やモノにも関わらず、見ている視点を変えるとまるで冒険に来たかのような景色に変わるんですね。ただ、ミニチュアの世界を写しただけではなく、サイズの差を活かしたユニークな構図は田中氏のセンスが光ります。遊び心満載の楽しい写真集です
おすすめの面白い漫画
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おすすめの漫画を揃えてみました。メジャーな作品も多めですが、読んでいないものがあれば参考にしてみて下さい おすすめの漫画 52選 アクション・アドベンチャー 01 ゴールデンカムイ 野田サトル 明治の北海道の[…]
まとめ
長い記事にも関わらず最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。これからも、他にも良い本に出会えたら随時更新していきます